ヤクザ映画

【難波金融伝・ミナミの帝王】ネタバレ結末!あらすじ・登場人物を徹底解説

『難波金融伝ミナミの帝王』のネタバレを含む解説をまとめてみました。

1992年から始まった『難波金融伝ミナミの帝王』シリーズは、竹内力が主演の任侠映画です。貸した金は地獄まで取り立てに行く主人公萬田銀次郎の迫力と、一方で人情に厚い彼の性格が、多くのファンを作りました。非常に多くのテレビドラマシリーズが発表されていますが、その全てが任侠もの好きの人々を虜にし、映画までも大好評を得た伝説のシリーズです。

そんな第一作目は、難波金融伝ミナミの帝王「トイチの萬田銀次郎」。竹内力演じる主人公の銀次郎に弟子入りした、竜一を中心に物語が展開していきます。その二人の人間関係が前半では描かれ、後半はその二人が、暴力団が絡む闇金業者と対決する様子が描かれています。

今回はそんな『難波金融伝ミナミの帝王』の一作目である「トイチの萬田銀次郎」のあらすじ、登場人物などについてお話させていただこうと思います。

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あらすじ

萬田銀次郎と幼少期

ミナミの帝王シリーズは、非常に多いことで有名ですよね。そんなシリーズ全体において、重要な鍵となるのが、主人公である銀次郎の幼少期です。

ヤクザも一目おく高利貸しの銀次郎ですが、実はその幼少期は意外なものなのです。なんと銀次郎は非常に裕福で、幸せな家庭で育ったのです。しかし、バルブの絶頂期に、銀次郎の父親が経営する建築会社が倒産してしまいます。その倒産の原因は、取引先の商事会社の社長に騙された、というなんとも悲惨なものでした。そして、多額の負債を抱えた父親だけでなく、それに影響された母親までもが自殺してしまうのです。

こんな人生のどん底を経験した銀次郎は、大阪のドヤ街に流れ着き一時期こそは自暴自棄に陥りますが、後に師匠となる矢吹金造に出会います。その出会いをきっかけに、金融の世界に足を踏み入れ、気が付くとミナミを仕切る闇金業者になったのです。

この一作目の中に登場する銀次郎のセリフに、「こんなもん(金)で、人は死ぬんや。悲しい世の中やのう」というものがあります。このセリフに、銀次郎の幼少期の悲しみが詰まっていますよね。

萬田銀次郎と法律

銀次郎の名言に、「法律ゆうんは弱いもんの味方やない、知っとるもんの味方するんや」というものがあります。この名言が表す通り、銀次郎は、法律に関する知識を武器に、敵の金貸しやヤクザと戦い、見事にお金を巻き上げるのです。

そして、そうした法律が登場するシーンでは、その法律用語の分かりやすい解説のセリフが出てきます。これが非常に分かりやすいため、「ミナミの帝王シリーズは、社会勉強になる」という口コミが広がったのです。

また、これは裏話ですが、実は本作品の法律監修は、元山口組の顧問弁護士であった山之内幸夫とのこと。

これは、闇金業者による法律使いがリアルなことも納得です。

萬田銀次郎に弟子入りし、金貸しになった竜一

ミナミの帝王シリーズには、銀次郎の舎弟である竜一が登場し、銀次郎とこの竜一の2人を中心としてストーリーが展開します。この一作目では、この竜一と銀次郎の出会いが描かれています。

チンピラであった竜一は、はじめはヤクザの弟子として、借金の取り立てを行っています。そんな時に突然銀次郎が現れ、見事にその取り立ての相手にお金を貸し付けてその場を去るのです。竜一は、そんな銀次郎の見事なまでの仕事っぷりと男らしさに惹かれ、急遽弟子入りを申し込みます。

しかし、銀次郎は今まで誰も舎弟として近くに置きませんでしたし、誰も家にさえあげたことがないほどの警戒心をもった男。ところが、そんな銀次郎はあっけなく竜一を受け入れます。「兄貴、兄貴!」と人懐っこい竜一の性格だからこそ、銀次郎にかわいがられ、今まで家に誰もいれなかった銀次郎の家にまでも入れさせてもらえたのでしょうか。

また、銀次郎もずっと一人で金貸しをすることに、どこか寂しさを感じており、そんなタイミングに見事に竜一が現れたことも、竜一の舎弟入りが成功した理由と言えるでしょう。

複数の偽造手形を悪用する坂田雅彦演じる闇金との闘い

ストーリーの後半では、銀次郎が、登記簿偽造による偽造手形を悪用するヤクザ金融・花園組の成田の罠にはまってしまうのです。そしてなんと2000万円もの損をしてしまう銀次郎ですが、やられっぱなしという訳にもいきません。

そこで、目には目を、ということで、銀次郎も仕返しの準備をはじめるのですが、なんと相手の土地を担保にお金を借りるという詐欺師まがいの方法で仕返しをするのです。そのために、偽の不動産会社のオフィスをつくり、偽の職員として劇団員を雇うという徹底っぷり。

勧善懲悪の物語ではありますが、悪を懲らしめる銀次郎も、また悪である、ということが、見るものを楽しませてくれる見どころです。

登場人物

萬田 銀次郎

大阪のミナミで闇金を営んでいる主人公だ。その利息は10日で1割という高すぎる利息ですが、何があっても必ず取り立てることから「ミナミの鬼」とよばれています。トレードマークは、派手なシャツとスーツ、竹内力の最高のはまり役と言えるでしょう。

借金を返済しない者に対しては、法律の知識などを武器に、徹底的に追い込みます。一方で、借金をしている客が他の闇金やヤクザと揉めているときは、客を助けるという情の厚さも兼ね備えています。この、シリーズの要所要所で垣間見える優しさも銀次郎の魅力の一つです。

坂上 竜一

自称「ミナミの狼」の坂上竜一の出身は非常に貧乏な家でありました。彼は、ミナミでチンピラをしていました。しかし、自分が慕っていた兄貴が、銀次郎には頭が上がらない様子を見て、銀次郎の舎弟入りを決意します。

そうしてチンピラであった竜一は、闇金の世界の人間になったのです。その後というもの、銀次郎の信頼を得て、常に銀次郎についていく日々を送るのです。

長老

主人公銀次郎の師匠にあたる人物です。この一作目では、大きな役割を果たします。居住地は、大阪のドヤ街の愛釜地区。以前は、総理大臣の秘書官を務めており、頭の切れる人物でありました。しかし、総理大臣が起こした汚職事件に巻き込まれ、逃亡し、ドヤ街の愛釜地区に隠居するようになったのです。

成田

ミナミの帝王シリーズでは、常に銀次郎とその敵の二項対立が確立されています。そして、その敵は毎度変わりますが、一作目の敵は、この成田という男でした。彼は、花園組というヤクザによる花園金融の男ですが、取り立てが荒く、人情も何も持ち合わせていない冷徹な人物です。そんな成田が、一作目では偽造手形を利用し、銀次郎を嵌めたことをきっかけに、成田と銀次郎の対立が始まったのです。

小ネタ

主人公銀次郎に弟子入りしたチンピラ、竜一の人間的魅力について

元チンピラの竜一が、銀次郎の初の舎弟になったことはお話ししました。では、なぜ竜一は銀次郎の心を開くことができたのでしょうか?これは、竜一の人懐っこい性格によることは確かですが、その性格を作り上げた、竜一の過去に焦点を当ててみたいと思います。実は、彼の父親はヤクザとのトラブルに巻き込まれ、ボロボロに殴られてしまいます。その光景を目の当たりにした竜一は、ショックを受け、必ずヤクザというものに復讐をしようと、自身もその世界に足を踏み入れたのです。ところが、そのうち父親が死に、子も親も結局は別々の人生を歩んでいるんだということに気が付くのです。竜一の若さでそんなことまで考えるとは、なかなか酷ですよね。しかし、そんな悲しい出来事も乗り越えた竜一だからこそ、人に優しく、そして人懐っこくなったのでしょう。

シリーズ後半では、関東で名をあげ、銀次郎のもとから離れていきますので、その竜一の成長っぷりも見どころです。

黒崎千里は萬田銀次郎の二代目と目されていた

銀次郎の舎弟と言えば、坂上竜一と皆さん口をそろえて言うでしょう。この二人の相性は抜群で、このコンビを超えられる舎弟はまず現れないでしょう。しかし、これまでにマンガ版などでは何人か舎弟候補がいたのです。1人は杉本達也。彼は、家族を捨ててまで銀次郎についていこうとしました。もう1人は、岡崎千里。彼女は、ヤクザに暴行されたことをきっかけに、その復讐を誓い、銀次郎のもとで色々とまなぶことを決意したのです。千里は、非常に出来の良い舎弟で、もはや銀次郎を超え、二代目銀次郎になるのではと言われておりましたがなんと坂上竜一と関係を持ってしまうのです。これは、社内恋愛禁止の約束を破ったことなりますので、銀次郎に破門されてしまったのでした。

銀次郎と愛車

竹内力演じる銀次郎のトレードマークは、派手なシャツとスーツですが、さらに外車もその一つに含まれるでしょう。実は、銀次郎の愛車は、作品ごとに異なる場合があるのです。では、どんな種類の外車を乗り回していたのでしょうか?ずばり、ベンツのSL、W126や、BMWの325i、ジャガー、シボレー・コルベットなどです。中でも視聴者の印象に残っているのは、黒のボディーカラーのベンツのSLでしょう。実はこれ、よく見てみるとホイールまでも黒で統一されているというこだわりも。常にフルオープンで走り抜ける銀次郎に、憧れを抱いた人は少なくないでしょう。また、基本的に欧州の車が多いのですが、その中でも意外なアメリカンスポーツカーのシボレーのコルベットの似合いっぷりが凄まじいのです。是非、全シリーズを見て、シボレーを乗り回す銀次郎の姿を見つけてみてくださいね。 

まとめ

ミナミの帝王シリーズの、記念すべき第一作目について、理解を深めることはできましたか?今後、一作目だけでなく、シリーズ全体を観返したい、という方には、是非こちらの三点だけは頭にいれておくと、すんなり理解することができますよ!

ポイント

  • 銀次郎が金貸しになった経緯
  • 銀次郎と竜一の関係性
  • 長老の存在

銀次郎は、ただお金が好きで金貸しになったのではありません。冒頭でもお話したように、悲惨な過去を乗り越えた結果、金貸しという職業にたどり着いたのです。またシリーズ通して、竜一を演じる役者が変わりますが、ストーリー的には、どの竜一も同一人物です。そして、竜一は常に銀次郎を慕う舎弟です。この二人の絶対的な関係さえ抑えておけば、ミナミの帝王シリーズをより理解しやすくなります。

そして長老の存在です。銀次郎の師匠ではあり、元総理大臣秘書官の長老と呼ばれる男です。彼が、銀次郎が若い頃から、金融や裏業界のイロハを手取り足取り教えてくれていたのです。この過去を知っておくことで、シリーズ全体のストーリー展開が分かりやすくなりますよ。

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