『極道十勇士』のネタバレを含むあらすじや登場人物などの解説をまとめてみました。
このシリーズは、「真田十勇士」という有名な物語をモチーフに作られた、任侠シリーズです。事実ではないものの、長年語り継がれてきた、戦国武将の物語。戦国武将の真田幸村が、家臣たちと共に大活躍しますが、『極道十勇士』では、DA PAMPのISSAが演じる幸田真一という男が主人公として仲間を率いて活躍します。では早速、『極道十勇士』の全体のストーリーの中で肝となる第一話を徹底解説していきますよ。あらすじや登場人物などをお伝えしますので、ネタバレ注意です!
あらすじ
全国制覇を目論む葵会による、山梨の武富会の解散
全国制覇を目指す東京の葵会は、長野進出を目論んでおりました。そこで、長野の吉村組を傘下につけ、同じく長野の幸田組の島を奪うための抗争のきっかけ作りを狙いました。幸田組は、山梨を拠点とする武富会の傘下に入っており、その武富会が甲信越をしめていました。しかし、山梨にも問題があり、かつてより山梨の縄張り争いを、武富会と副島組が行っていたのです。そして、なんとその副島組までも葵会の傘下に入り、武富会は窮地に陥ってしまいます。しかしながら、武富会の二代目会長の武富勝男は、非常に短気な男で、添島組の組長を暗殺してしまったのです。その話を聞いた葵会は、「武富会が解散するのであれば、武富の命は助けてやる」という条件をもって、武富会との交渉をすることに決意しました。しかし、武富会からの返答は、断固とした拒否を示す返答でありました。この返答を聞いた葵会により、武富会会長・武富勝男は、暗殺されてしまうのでした。
葵会により引退に追い込まれた幸田組組長の幸田昌己
武富会会長の死により武富会は解散することになりました。そして武富会の傘下にいた数々の組も、葵会の力におびえて、その傘下に入ることを決断します。これは至極当然のことで、葵会の権力の強大さを考えると、生き残るにはその道のほかになかったのです。そこで、最後に残ったのは幸田組。すると、この幸田組組長である幸田昌己の筋の通りようや、親を守り抜こうとする男らしさを小耳に挟んだ葵会会長が、直々に幸田昌己に会いに来たのです。わざわざ会いに来た目的は、幸田昌己の将来を見込んで、会長本人の盃を受けないか、という誘いを伝える為でありました。自身の生き残りと、組員達の命を天秤にかけ、悩んだ幸田昌己は、引退を表明、組を解散する道を選んだのでした。
葵会によって追い出された幸田建設
幸田組を解散した幸田昌己の息子の幸田真一は、カタギとして幸田組には属さずに、幸田建設という建設会社を営んでおりました。もちろん、当初は、葵会はカタギの仕事である幸田建設には手を出さないという話で決着をつけておりました。幸田組解散ののち、元々幸田組の島であった領域は、葵会傘下の吉村組のものになりました。すると、その吉村組が、なんと幸田建設にまで手を出し、幸田建設は追い出されてしまったのです。幸田昌己が引退してまで守った平安でありましたが、息子の幸田真一は「商売の邪魔をされることは生きるか死ぬかの問題だ」と憤りを抑えられずにおりました。
幸田真一による、二代目幸田組結束と、葵会への報復の準備
カタギの商売であるのにも関わらず、商売を邪魔された幸田真一は、やはり黙って退散するわけには行かず、元幸田組組員であった三上晴美・宇野次郎などを率いて、東京に乗り込み、葵会に報復することを決意したのです。もちろん、東京の葵会の勢力を考慮すると、幸田真一のこの決意はあまりにも無茶苦茶なものでした。相手は、全国制覇を目指す強大な組であるのに対し、幸田組は一度は解散にまで追い込まれた山梨の小さな組ですので、その力の差は誰の目から見ても歴然としておりました。それでも幸田真一はやるときめたら、やり抜く男。皆で盃を交わし合い、新たに二代目幸田組の結束をしたのでした。
東京に進出した二代目幸田組
早速、東京に進出してきた幸田真一と組員達ですが、葵会について、東京の組の関係性など、何の情報ももっていませんでした。さらに、情報どころか、事務所や島さえももっておらず、ヤクザとしては話にならない状態の幸田組。そこで、この状態を脱却するために、徹底した情報収集から始めることにしました。東京で起きた喧嘩に首を突っ込んでは情報収集を繰り返す中で、半グレグループの元リーダー・猿渡闘輔と出会ったのです。猿渡闘輔もまた、仲間を葵会に半殺しにされ、その仲間は皆東京から逃げていった為、ついにグループでたった一人東京に残っているという状況でした。同じように葵会に一泡吹かせたい猿渡闘輔に、幸田組は協力を求めたのです。そこで、意気投合して猿渡闘輔は幸田組の舎弟となり、彼らは仲間となりました。
幸田組と、東京で出会った半グレの猿渡闘輔
幸田組は、早速東京に事務所を構えるために、他の組を乗っ取ることになりました。そこで目をつけたのが飛田組。東京のはずれの組であるため、まだ葵会には目を付けられていない上に、新興勢力であったため、この飛田組が乗っ取るのには最適であろうという猿渡闘輔のアドバイスによる判断でありました。そこで、実際に飛田組が経営するぼったくりバーにわざと引っ掛かり、飛田組との抗争のきっかけを作ったのです。見事にその罠は成功し、飛田組と幸田組は激しい抗争になりました。そこで抗争に勝利した幸田組は、無事に、新しい事務所と島を獲得したのです。
登場人物
幸田真一(ISSA)
幸田真一は、幸田組一代目組長の幸田昌己の息子です。彼は、もとはカタギとして幸田建設という建設会社を営んでおりました。しかし、幸田組解散の影響により、葵会に幸田建設を乗っ取られていまいます。これに激しく憤りを覚えた真一は、葵会に報復するために、山梨から東京に乗り込びました。このように、真一は、怖いもの知らずで、果敢に挑戦する男でありました。彼こそ、下剋上の主人公に相応しい人物だと言えるでしょう。
武富会二代目会長・武富勝男(木村祐一)
武富会は、甲信越を仕切っておりました。一代目武富会会長が、ここまで武富会を成長させたのですが、その息子にあたる人物が、この武富勝男です。彼は、二代目として武富会のトップに君臨しましたが、その性格は非常に短気で、とても組長としての器を備えているとは言えない人物でした。この第一話では、敵対する副島組組長を、後先考えずに暗殺し、最終的に報復され自身の命を落とすばかりか、武富会の解散まで招いてしまいました。
半グレグループの元リーダー・猿渡闘輔(TJ Kayama)
彼は、元からずっと東京に住んでいた人間です。「俺はヤクザが嫌いだ」という猿渡闘輔は、半グレグループのリーダーを務めておりました。しかし、グループの仲間が、葵会に半殺しにされ、仲間達はあまりの恐怖に、東京から逃げてしまったのです。そうして、独りになってしまった猿渡ですが、そんな状況でも、葵会への報復を目指す、怖いもの知らずな果敢な男でありました。
幸田繁和(山口祥行)
幸田真一の異父兄にあたるのが、この人物です。異父兄とはいえ、二人は兄弟なのですが、彼は葵会傘下の女性と結婚したがゆえに、葵会傘下の人間になってしまいます。弟を救いたい気持ちと、組への忠誠心に悩み続け、しばしば幸田真一にアドバイスを行います。
幸田組組長・幸田昌己(三浦浩一)
幸田昌己は、幸田組の組長です。彼は、武富会一代目会長に非常にお世話になり、その会長から「息子を守ってくれ」と生前お願いをされていましたしかし、その息子である武富会二代目会長は、残念ながらトップに君臨するに値しない男でありました。それでも、幸田昌己は「何を言おうと、親が言うことは絶対だ」と、どんなに自分が窮地に立たされても、二代目会長を守り抜きました。このように、幸田昌己は義を貫く男でありました。
幸田組若頭・宇野次郎(重松隆志)
彼は、幸田真一がカタギであった時から、真一を慕っておりました。二代目幸田組が東京に乗り込む時も、組員の士気をあげるなどして、大きく幸田真一に貢献した人物です。大きな体格に、細い眉、鋭い目つきで、外見こそは怖い雰囲気を醸し出しますが、親分への忠誠心を守り抜く、温かい男です。
幸田組組員・三上晴海(YORI)
幸田組きっての弟分のような存在である三上。幸田組の中では、その場を和ませる役割を果たしています。一方で、可愛いらしい性格とは裏腹に、飛田組の事務所を乗っ取る時には、果敢に先頭をきり、活躍を見せました。
葵会会長・徳永康男(中条きよし)
強大な葵会を取り仕切る男が、この徳永康男です。人を見る目が肥えており、幸田昌己の素質を見抜くにもそう長くはかかりませんでした。しかし、全国制覇を目指しているだけあり、彼の手段は過激なものが多いのも事実。暗殺はおろか、すぐに組を解散に追い込む冷酷さは、徳永の特徴と言えるでしょう。
ネタバレ結末まとめ
『極道十勇士』シリーズの、第一作について、改めて理解することはできましたか?
DA PAMPのISSAが主人公を演じているということで、人気を博する『極道十勇士』シリーズですが、任侠映画はストーリーが複雑で、一回見ただけではなかなか理解できない箇所が多いですよね。また、久しぶりに『極道十勇士』シリーズを見たい!と思い立っても、一話のあらすじが思い出せないと、理解が難しい事もしばしば。そんな時は、この三点を抑えてみてくださいね。きっと、理解がしやすくなり、より一層楽しめることでしょう。
- 幸田組一代目の解散の理由
- 葵会の強大さ
- 幸田真一が、幸田組二代目になるまでの経緯
まず、「幸田組一代目は、葵会に追い詰められた結果、解散した。」という事実が、シリーズ全体での肝となりますので、ここは絶対に抑えてください。組員の命を守るための苦渋の決断でしたが、やはり葵会を前にすると、この決断は至極当然のものでした。やはり、全国制覇を目論んでいる葵会の力は圧倒的で、次々と日本各地の組を傘下に取り組み、その力は日に日に増しておりました。そんな葵会に一泡吹かせようと、山梨から東京に進出してきた幸田真一でしたが、彼はもとはカタギとして建設会社を営んでいる人間でした。
これらをしっかり抑えた上『極道十勇士』を鑑賞することで、より楽しむことができるでしょう。是非、幸田真一による、下剋上劇を満喫してくださいね。